指示より「問い」が人を動かす
〜主体性を引き出すコミュニケーションの力〜
目次
「言われたことはやるけど、それ以上はしない」「誰かが決めてくれるまで待っている」――組織において、こんな受け身の姿勢に悩むリーダーは少なくありません。変化の激しい時代、求められるのは「言われたことをこなす人」ではなく、「自ら考えて動く人」。では、どうすればメンバーの主体性を引き出せるのでしょうか。
その鍵のひとつが、「問いかけ」によるコミュニケーションです。
多くのリーダーが、メンバーを動かすために「指示」を使います。しかし指示は、その場限りの動きを促すには有効でも、考える習慣や行動の主体性を育てるには限界があります。指示されることで「正解」はリーダーが持っているものだという認識が強まり、失敗を避けるために指示待ちになってしまうのです。
一方で「問い」は、メンバーの思考を引き出します。
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①内省の機会
たとえば、ある業務が滞っているとき、「なぜ進んでいないのか?」と問いかけることで、本人の内面に働きかけることができます。「どこが壁になっているのか?」「どうすれば前に進めそうか?」というようなオープンクエスチョンは、メンバーに自らの行動を省みるきっかけを与えます。
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②対話の活性化
問いかけは、相手に考える余地を与えることで、相互の対話を生みます。リーダーからの問いにメンバーが答え、それに対してまた別の視点を投げかける。こうしたやりとりが積み重なることで、関係性の質も高まり、チーム内のコミュニケーションが活性化されていきます。
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③当事者意識の向上
また、問いかけを通じて得られる「気づき」は、メンバーの当事者意識を高めます。「自分がどう動くか」に責任を持つ意識が芽生え、単なる業務遂行者から、課題解決の担い手へと変わっていくのです。
重要なのは、問いかけが「詰問」や「誘導」にならないようにすること。正解を押しつけるのではなく、相手の中にある答えを引き出すことを意識しましょう。「どうしたらうまくいきそう?」「他にどんなやり方があるかな?」といった柔らかく、考える余地のある質問が効果的です。
リーダーに求められるのは、「答えを与える人」から「問いを立てる人」への転換です。
問いを通じて、メンバーの内面に火を灯し、自律的な行動を促していく。それが、これからの時代の組織づくりに欠かせないアプローチです。
あなたが次にメンバーと話すとき、ぜひ「何を指示するか」ではなく、「何を問いかけるか」に意識を向けてみてください。その一言が、メンバーの主体性を引き出し、組織の未来を動かす第一歩になるかもしれません。
参考ページ
・100点か0点思考をやめるという選択